何故アナタは縋らせてくれないのか

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『大切な人』の眠る病院から帰宅し、何も入ってないであろう郵便受けを覗く。 入っていても公共料金の支払いかどっかのチラシか。 そんな寂しい寂びた郵便受けに何やら黒い封筒が入っていた。 ただ表側に『招待状』とだけ書かれている。イタリック体のため多少かっこいいな、と思わせる以外なんのへんてつもない封筒。 いや、差出人がわからない上に、宛先までわからない。 間違って入れられたんじゃ? 中身は気になるが、他人宛かもしれないし、部屋に戻り夕食の準備をしてからでもいい。 そう思い、カバンの中へ押し込む。 忘れるだろう、とは思いつつ。 .
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