A direction;a way girl

2/3
前へ
/74ページ
次へ
白くて広い学校の廊下で、同級生のボイルに声をかけられた。 「やぁ、アリス。今日も綺麗だね」 「ありがとう、ボイル」 彼は私の髪を何度も撫でるように触れた。 「今夜食事にでも行かないか?」 私の顔を覗き込むようにして食事に誘った。 「遠慮するわ。今夜は星が見たいから。流星群が見れるの」 そう言うと目を見開き、口を金魚みたいにパクパクした。 「ボ、ボクの誘いを断るのかい!?」 「あなたに食事に誘ってもらいたい子はたくさんいるでしょ?」 彼は、この街では有名な会社の社長の息子。 将来は跡を継ぐらしいのと、ルックスも悪くないため女の子に人気。 私が彼と会話しているとき、決まって同じ女の子が数人ほど私を見ているの。 彼女たちは食事の誘いを断った私の方を見て軽蔑しはじめた。 「なに、あの子」 「アリスよ」 「ボイル様の誘いを断るなんて!」 「偉そうにしちゃって」
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加