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白くて広い学校の廊下で、同級生のボイルに声をかけられた。
「やぁ、アリス。今日も綺麗だね」
「ありがとう、ボイル」
彼は私の髪を何度も撫でるように触れた。
「今夜食事にでも行かないか?」
私の顔を覗き込むようにして食事に誘った。
「遠慮するわ。今夜は星が見たいから。流星群が見れるの」
そう言うと目を見開き、口を金魚みたいにパクパクした。
「ボ、ボクの誘いを断るのかい!?」
「あなたに食事に誘ってもらいたい子はたくさんいるでしょ?」
彼は、この街では有名な会社の社長の息子。
将来は跡を継ぐらしいのと、ルックスも悪くないため女の子に人気。
私が彼と会話しているとき、決まって同じ女の子が数人ほど私を見ているの。
彼女たちは食事の誘いを断った私の方を見て軽蔑しはじめた。
「なに、あの子」
「アリスよ」
「ボイル様の誘いを断るなんて!」
「偉そうにしちゃって」
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