新学期

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「で、しー。って、聞いてるか?」 「!」 いつの間にか、自分の世界に入っていたらしく、きょうくんの声で我に返った。 「悪い。聞いてなかった。」 「たく、ちゃんと聞いてろよ?爽太と桃と、友達になってくれ。っていう話だ。」 「無理だ。」 「即答だね~♪」 「何でだよ!」 「さっきも言っただろう。友達なんていらない。きょうくんがいてくれれば、それでいいんだ。」 そう。 きょうくんさえいてくれれば、それで…。 「ダメだよ!」 「はっ?」 いきなり、中原さんが目の前に来た。 「友達はいっぱいいた方が楽しいよ!?友達なんていらないとか…、寂しいよ…。」 「……。」 そんな、泣き出しそうな顔で言われても、いらないものはいらない。 だって…、もうあんな思いはしたくないから。 「っ…!」 ダメだ…。 友達なんて…、 「…いらない。友達なんて、いらない。」
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