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薄い氷の上に立っているようなものだったの そんなに綺麗なものじゃないけど でもそんな感じ 1cmも無いような 薄い氷みたいなもので 構成されてる日常 いつみても皹があった そんなとこに立ってたら危険 そんなこと知ってた でもその1cmの世界が好きだった いや、殆どは嫌いだった 皹だらけで、冷たくて、足は霜焼けて 何の為にここにいるんだろう でも、その中で時折反射して、きらきら光る太陽の輝きが好きだった それだけの為に とっくに壊れてた 太陽の光なんかじゃなかったよ 気がついたら氷は割れてた 気がついたら溺れてた 冷た過ぎたから陸に上がった 陸には氷の上で見る世界より、ずっと輝いて、綺麗な世界が広がっていた ずっとこんなのに憧れていたんだと気づいたのは最近 振り向いたら氷は壊れて、既に私の居場所なんかなかった こんなに広い世界を知ってたら、最初から狭い氷の上なんかに、乗らなきゃよかったのにね でも私は時々恋しくなる 氷の上の光を もう二度と見れないけれど あれだけは好きだった
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