二人

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無言のまま。 でも、もう直接愛の言葉を囁かれなくても、その仕草で愛されていると実感する。 欲を満たした後でも何度となくお互いを求め、そうして迎えた終わりにも私に優しさを示してくれる。 私がのぶを愛していて、のぶが私を愛していてくれる。 それだけしかない世界。 それだけが全ての私の世界。 勿論お互いに親と言う家族があり、友人がいて、仕事があって、1人暮らしののぶの部屋に私が遊びに来ているだけの事。 でも、私、村岡明美の世界はのぶと出逢ってからのぶだけが全てと言って過言でないくらい、のぶ一色に染まった。
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