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牧田彰伸。
知り合ったのは高校の時。
3年で初めて同じクラスになってびっくりした。
だって、あの牧田彰伸が私と同じクラスになるなんて思っていなかったから。
のぶはそれまで私の事なんて知らなかった。
だけど私はのぶを知っていた。
校内では有名な存在だったから。
勉強なんて真面目に受ける態度皆無で、なのにテストになると順位表に名前が載っている。
それも右から流れていく順番の右の方で。
いわゆるガリ勉くんから一番嫌われるタイプの人間。
だからそこそこの大学行くんだと思ってた。
それなのに、進路別に別れる3年のクラスで、進学校の中ではその他扱いのこのクラス…信じられなかったけど、一緒のクラスになった。
のぶが初めて私に声を掛けたのは、3年が始まって一週間立った頃。
「髪、切らせて」
程よい低音の声。
振り返るとのぶでびっくり。
その言葉にもびっくり。
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