64人が本棚に入れています
本棚に追加
/135ページ
第一声がそれって、何?としか思わないよね。
聞いたら、美容師志望で、今も美容室でバイトしているんだって。
だから授業が簡単なこのクラスを選択したんだって。
色々に納得。
「でも、なんで私?」
「んー、一番触りたい髪だから」
後々口説き文句だったと知って驚いた。
それまで数々の浮き名を流した彼の口説き文句とは思えなかったから。
「自分から口説いた事なんてないからわかんないんだよ」
この話をすると彼は口を少し尖らせて負け惜しみを語る。
そんな人だから、告白されて付き合うなんてなくて、いつの間にか、そう、いつの間にか私にはのぶで、のぶには私。
自然とそうなっていた。
それまでの浮き名は流れなくなって、周りが驚いてた。
私も驚いた。
数いる女の1人になっちゃうんだろうなぁ、って思ってたから。
最初のコメントを投稿しよう!