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それでもすぐに終わるよって、陰でこそこそではなくて、堂々と噂された。
私もそう思ってたから、おどおどして…
でも、のぶはいつも私だけ見てくれた。
何も変わらない。
あれから4年の月日が経っても。
それはとても嬉しい事で、幸せな事で。
でも、何も変わらない、その事を最近淋しく思う私がいる。
この満たされた時間以上の関係に。
それを望むのは我が儘だろうか。
お互いに高校卒業して、私は小さな会社の事務に就職、のぶは美容専門学校を経て、就職。
お互いの休みが合わずに、のぶの仕事の終わりは少しずつ遅くなって、こうして時々一緒に過ごすようになって。
独立のために頑張るのぶを、日々の仕事で帰ったら眠るだけのこの殺風景な部屋を守る存在に、私はなれないだろうか?
のぶはそんな事望んでないのかな?
隣で眠る貴方は気持ちよさそうで、何も考えていなそうで、悔しくて、ちょっとだけ鼻を摘んでみた。
少し苦しそうな顔をして私の手を外すのに横を向いた。
やっぱり、何も考えてないよね…
自分だけ…
そう私だけ…
のぶのばぁか。
ふてくされながらもその寝顔に安堵して、ゆるゆると睡魔に誘われ眠りについた。
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