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そうして、私の舌に触れる指。
絡め取るように動くのは貴方の指が先なのか、私の舌が先なのか…
どちらとも言えずにお互いが触れ合う。
やがて艶めかしい響きが聞こえ、それが了承の合図で、貴方の手がゆるゆると動き始める。
服の上から触れる貴方の手がずるく感じる。
もっと、触れて…
そう思う私は淫らなの?
中々直に触れようとしてくれない貴方は卑怯で余裕で。
悔しい。
私ばかりが苦しくて、貴方にもこのもどかしさを知ってほしくて、私を背後から抱きしめたままの貴方の太股に私の手で触れる。
すると、ずっと耳元で言葉ではない囁きを続ける貴方がはっきりと言うのだ。
「まだ、駄目。俺がお前を味わってからだ」
そして貴方の手で私の手は引きはがされてしまうんだ。
ずるい。
ずるい。
私ばかりが熱くなって、貴方は冷静なままで。
いやいやと、首を横に振る私を見て、くすって笑う。
ひどい。
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