64人が本棚に入れています
本棚に追加
知ってるくせに、どうしたらいいかなんてもうわかってるくせに。
わざとゆっくりと探し回るように動くから、その全てを受け止めながらも、もどかしくて私は体をずらす。
お願いだから。
「どこに触れてほしい?」
意地悪に聞かないで。
恥ずかしさに黙っているとさらに私を追い込むのだ。
「教えてくれないならやめるけど?」
そう言って、その滑らかに動く指先を本当に止めてしまう。
「あ…」
思わず声が出た。
その声は残念な気持ちをありありと貴方に伝えて。
「止めてほしくない?」
そう、意地悪に聞かれる。
最初のコメントを投稿しよう!