64人が本棚に入れています
本棚に追加
こくんと頷いても貴方はそのままで。
もどかしくて、そのままでいる事が苦しくなって、柔らかく回された腕の中で私は半分回って貴方と向き合う。
「ごめん。俺、お前のその顔が見たくなるんだ」
潤んだ瞳と欲しがる唇。
私のその顔を確認して、貴方は満足そうに笑う。
「ここでいい?それとも移動する?」
ここはキッチン、洗い物の途中。
でも、そんなの後でいい。
今はもう、考えたくない、他の事なんて。
「あっちに行こう」
ねだる私の言葉に貴方は愉悦の顔で。
「いいよ」
そう言いながら、私を抱き上げる。
重いよね?
そう思う私の羞恥なんて関係ないとでも言うように、貴方は歩き出す。
ベッドまで。
ここから、長い夜が始まる。
最初のコメントを投稿しよう!