二人

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こくんと頷いても貴方はそのままで。 もどかしくて、そのままでいる事が苦しくなって、柔らかく回された腕の中で私は半分回って貴方と向き合う。 「ごめん。俺、お前のその顔が見たくなるんだ」 潤んだ瞳と欲しがる唇。 私のその顔を確認して、貴方は満足そうに笑う。 「ここでいい?それとも移動する?」 ここはキッチン、洗い物の途中。 でも、そんなの後でいい。 今はもう、考えたくない、他の事なんて。 「あっちに行こう」 ねだる私の言葉に貴方は愉悦の顔で。 「いいよ」 そう言いながら、私を抱き上げる。 重いよね? そう思う私の羞恥なんて関係ないとでも言うように、貴方は歩き出す。 ベッドまで。 ここから、長い夜が始まる。
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