#01、もしかして先輩って、生徒会長!?

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side;倉見 冬弥(クラミ トウヤ) ーーーーーーー高沢組 俺は、この大きな組織に世話になっている。 高校を卒業して、大学進学をするはずだった。 けど、思い通りの人生……ってわけにはいかなかったんだ。 共働きの両親の休日が合う日はほとんどなくて、やっと家族3人の休日が合った日曜日。 すごく久しぶりの家族旅行に行ったその日、あとはもう帰るだけだ、と笑いあった。 けど、その直後、山間のぐにゃりとした道路で、暴走したトラックが突っ込んできた。 耳をつんざく爆音と体に走る衝撃。 この事故で俺はーーーーーーー両親と、右腕を肩から失った。 病院で目を覚まし、両親が死んだことを聞いた俺の部屋に入ってきたのは、”高沢組”という裏組織の頭(カシラ)だった。 左目に大きな一筋の傷のある白髪のその人に、俺は正直ビビッていた。 「ボウズ……お前さん、恨んでいるか?両親を奪った人間を」 何の前ぶれもなく、涙があふれた。 「奪った、か。やっぱ……死んだんだ」 「……」 無言で俺の頭を引き寄せ、ポンポンと頭を撫でる和服の男。 涙も声も止められなくて、枯れるまで泣き喚いた。 なんで俺たちが事故に遭わなくちゃいけないんだ、とか、あの日あの場所にいなければ事故に遭わなかったのに、とか、勝手に叫ぶ俺の言葉を頷きながら聞いてくれていた男。 ひとしきり泣き終わると、疑問がわいてきた。 「おじさん、誰?」 「はっはっは!!今さらか?高沢 重乃鯉(タカサワ シゲノリ)、ただの老いぼれだよ。ボウズの親父さんとは親しかった、ただそれだけさ。落ち着いて、行くところに困っていたなら、オレのところに来ればいい」 そう言い、地図を置いていく高沢さん。 「準備良すぎない?」 「細かいことは気にするな、ーー冬弥」 「……もう名前で呼んでくれる人いないかと思ってた」 そうつぶやくと、わしゃわしゃと乱暴に頭を撫でられ「何度だって呼んでやるさ」と微笑まれた。 退院してから俺は高沢組の家族の一員になった。 .
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