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「短気は損気ってババ様が言ってたな」
ガシッ
「なっ!?」
村のご長寿のババ様のためになる言葉を思い出しながら、猫の亜人が振りかざしてきたハルバートの柄を片手で受け止めると、猫は驚いたように毛を逆立て目を見開いていた。
「相手の力量を見た目で判断するもんじゃないよ」
俺がハルバートの柄を握っていた拳に力を入れると、グニャリとハルバートの刃先がおかしな方向を向くように曲がってしまった。
「ひっ!?くそ!!」
ダダッ
猫は使えなくなったハルバートを放して、林の中に逃げてゆく。
「あ、あの」
「よいしょ。ここじゃあちゃんと休めないな……他の場所に行くか」
「ま、待ってください!!」
先程の猫の醜態の一部始終を見ていた男と女が、俺に何か言いたそうな目をしていた。
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