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その頃、村長宅では、村長と副長の重要な話し合いをした。
「しかし、村長。勝手に決めて良いんでしょうか?」
「これはオーガとして、奴に課せられた義務みたいなもの」
「しかし、トルスは異常なまでに小さいため、他のやつらと比べても非力だ。他のやつを向かわせた方が……」
「トルスはな賢いのだよ。本と言う書物を読めるのだしかも人間の書いた文字でだ……。それに人間とはとても臆病で、我等が向かってもその大きさに臆するだけで、話ができないだろう。だが、やつの小ささならなんとかギリギリ誤魔化せるだろう」
「だがしかし、本当に明日?」
「あぁ、問題を解決するには早めに……とな」
「ふむむ」
村長の意見に副長は何か言いたげだったが、最後に溜め息をつき「分かりました」とだけ言った。
しばらくするとオーガの住む山にも夜がやって来て、体格に似合わず静かな夜が過ぎて行く―
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