序章 カンキン

12/36
前へ
/571ページ
次へ
とりあえずこの明らかに普通ではない状況、誰かに助けを求めるのが妥当な考えだろう。 この場合どこに連絡するべきなのか。 家族の誰かなのか、あるいは直接警察にでも連絡した方がいいのか。 とりあえず家が心配だ。 誰かが俺をここへ連れてきたのなら、夜中に誰かが家へ忍び込んだという事になる。 家族の誰かに危害が加わっている可能性は十分考えられる。 すぐに通話ボタンを押したが、やはり妙な現象に襲われた。 「……」 コール音も鳴らず、電話が繋がっている様子もない。 他の番号でも試したが、やはり結果は同じだった。 「繋がらないよね……?私も電話してみたんだけど、やっぱり繋がらなくて……。電波はあるはずなのに……」
/571ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1544人が本棚に入れています
本棚に追加