序章 カンキン

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普段は無口で暗く、同じ趣味を持つ仲間とグループを作っている事が多い。 俺と同じクラスであり、出席番号的にも俺の後ろだが、俺自身こいつと話した記憶はあまりない。 「ま、まま、まさか君たちが僕をここへ連れてきたんじゃ……」 「何言ってんだ。こっちだって被害者だ。見ればわかるだろ」 「そそ、そう……だよね……」 笹部も俺たちと同じように学校の制服に身を包んでいた。 持っているライトは携帯のフラッシュのようである。 しかし俺が聞いたのはこいつの声ではなく、恐らく女子の悲鳴だ。 あと一体何人がこの場所にいるのだろうか。 この異常な状況、連絡もとれないこの状況で人探しなどしている場合なのだろうかと再度考える。 警察さえ呼べば後はすべて何とかしてくれるだろう。
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