序章 カンキン

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俺たちがここにいた理由もわかるかもしれない。 「まずは助けを呼んだ方がいいかもな」 「あ、待って桜庭クン!」 「お、置いてかないで!」 勝手に歩き出した俺の後を、二人は列を成してついてくる。 別になんだっていいが、俺は先頭で一人強い胸騒ぎを感じていた。 嫌な事が起きそうな予感、そんな悪い予感というのは、願ってもいないのにいつだって現実のものとなってしまう。 出来る事ならそういった事態を未然に防ぎたいところ。 連絡が出来ないのなら、自分の足で向かうしかない。 まずは玄関。 「……なんか声が聞こえるね……」 「ここここ、声!?ぼ、僕はオバケなんて信じてないよ!全然信じてないから!」 「……」
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