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いかにも野球部って感じの、体格のいい坊主頭が俺たちを見てそんな事を呟いた。
「そうだよ、私たちは三組の……」
大柴はいちいち自己紹介なんかしようとしているようなので、俺は全部を無視して真っ直ぐに玄関のドアへと向かった。
自己紹介なんか正直どうだっていい。
まずは警察に駆け込むのが最も先決。
そう思いながら玄関の両開きのドアに手をかけた。
だがしかし、前後に押したり引いたりしてみても全く反応がない。
鍵の部分は回るが、開けたり閉めたりを繰り返してみても微動だにしないのである。
「俺たちも今、それを開けようとしてたんだ。でも二人がかりでもピクリとも動かない」
「……」
『開かない』というものとは明らかに異なるもの。
ドアの向こう側は絵の具をぶちまけられたような黒。
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