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「窓だってなんか知らねーが全部開かねーしホントにどうなってんだよって感じ」
「窓も開かないって……」
大柴はひどく取り乱した様子で、一番近くの窓へと駆け開けようと試みるが、やはりびくともしない。
「鍵は開いてるのに……どうして……」
理解は出来ないが、まだ手はある。
押しても引いてもダメなら壊せばいい。
俺の記憶が確かなら、玄関の隅には消火器があったはずだ。
以前一度パンクし、玄関が真っ白になるという惨事を引き起こした事があるのでよく覚えている。
笹部が照らした明かりがちょうどその消火器を照らし出し、俺の記憶が正しいと証明された。
俺がその消火器を持ち上げ窓の側へと近付くと、俺がしようとしている事を察知したようで全員がそこから少し距離をとる。
高く掲げた消火器を、俺は間髪入れずに降り下ろした。
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