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「少し待ってろ」
教室の中へと入ると、その部屋の中では今も僅かに炎が燻っていて熱い。
何より壁も天井も黒こげで、中には焦げ臭さと死臭が漂っていた。
その中に横たわる黒い塊。
それが本当に莉央なのかどうかすら見分けがつかない。
「……」
思わず胸の奥から込み上げてきそうになる感覚を何とか抑え込み、彼女の体に触れる。
既に服はほとんど焼け落ちてしまった上、高温で熱されたのでもうそこに俺が探している物が見つかるとは思えないが、調べておいた方がいいだろう。
そう、携帯だ。
携帯があれば莉央が抽選者かどうかはっきりするだろう。
もし莉央が抽選者だった場合、もしくは莉央がXだった場合は椅子が確実に一つ無くなる事になる。
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