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「ないか……」
莉央の体を調べてみたが携帯はなく、周辺を軽く見てもそれらしき物は見当たらない。
それもそうだろう。
相手は高瀬一樹。
俺たちにそう易々と情報を与える訳がない。
もしこの爆発で携帯が壊れなかったらという可能性ももちろん考えていたはずだ。
そうなった場合を想定するなら、携帯は先に奪って破壊しておくのが定石。
俺は教室を出て水無瀬の元へと戻る。
「ど、どうしよう桜庭クン!綾芽ちゃんが!綾芽ちゃんが!」
既に水無瀬は虫の息。
そう長くはもちそうにない。
ここで水無瀬に死んでほしくはない。
水無瀬が死んだとしてもその瞬間に椅子が減る事が確定する。
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