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アタシが敵わないとは限らない。
特に不意打ちならばアタシでも十分殺れるはず。
恐怖が張り付いているような重い足を無理矢理立たせてアタシは音を殺して廊下を歩く。
丸腰で挑むなんて馬鹿げた真似をする訳にはいかない。
まずは武器が必要。
相手を不意の一撃で即死させるような強力な武器が。
アタシは今から人を殺す。
ごめんねお兄ちゃん、この手が血で染まってもアタシの事嫌いにならないでね……。
「……ちゃん……して……少し……」
「……っ!」
遠くから声が聞こえた。
声の高さから見て女の声だろう。
その声が近付いてくるのがわかり、アタシは手近な教室の中へと逃げ込み、深呼吸して耳を澄ませる。
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