六時間目 キュウテン

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声が近付いてくるのに比例してアタシの心拍数も上がっていく。 やがてその声はドアの向こう、すぐ近くを通過した。 「綾芽ちゃん!絶対大丈夫だから!」 いくつかの足音、一人ではない。 アタシは恐る恐るドアの小窓からそこにいる人物の姿を確認する。 そこには急ぎ足で過ぎ去っていく男と女、それと男に抱えられる女子生徒らしき姿があった。 恐らく全部で三人。 大柴芽依と桜庭桐斗、抱えられていた女子生徒が誰なのか確認出来なかったが、大柴芽依の声から察すると恐らく水無瀬綾芽。 「水無瀬綾芽……あの子は銃を……」 大柴芽依は必死に水無瀬綾芽に話し掛けていた。 抱えられている所から見ても、多分水無瀬綾芽の身に何かがあったんだろう。 なら彼女が持っている銃は今誰が持っているのか。
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