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声が近付いてくるのに比例してアタシの心拍数も上がっていく。
やがてその声はドアの向こう、すぐ近くを通過した。
「綾芽ちゃん!絶対大丈夫だから!」
いくつかの足音、一人ではない。
アタシは恐る恐るドアの小窓からそこにいる人物の姿を確認する。
そこには急ぎ足で過ぎ去っていく男と女、それと男に抱えられる女子生徒らしき姿があった。
恐らく全部で三人。
大柴芽依と桜庭桐斗、抱えられていた女子生徒が誰なのか確認出来なかったが、大柴芽依の声から察すると恐らく水無瀬綾芽。
「水無瀬綾芽……あの子は銃を……」
大柴芽依は必死に水無瀬綾芽に話し掛けていた。
抱えられている所から見ても、多分水無瀬綾芽の身に何かがあったんだろう。
なら彼女が持っている銃は今誰が持っているのか。
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