六時間目 キュウテン

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その銃さえあれば、相手が誰だろうと関係なしに人を殺す事なんて容易い。 だけどさすがに桜庭桐斗がその銃を手放すなんてミスはしないはず。 多分桐斗が銃を持ってるんじゃないのか。 さすがに銃を持っている相手に挑むのは自殺行為。 たとえアタシが何かしらの武器を持っていたとしても返り討ちに遭うリスクが高い。 情報を知らないアタシは現在誰が生き残ってるのか、生存の枠に入ってる人物が誰なのかを知らない。 今からそれを調べる猶予なんてあるはずもなく、何よりも先に『誰かを殺す事』を優先しなければならないのだ。 「あ……」 そう言えばさっきのあの三人、これからどこへ行こうとしていたのか。 見た所かなり急いでいたようだったので、抱えられた水無瀬綾芽は致命的な怪我を負っていたのかもしれない。 『急いでいる』という事はつまりまだ『死んでいない』という事になる。
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