六時間目 キュウテン

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同じ事を問いかけられた俺はあいつに『死ぬ』と告げた。 それが事実であり、他に道などなかったから俺はそう言ったのだ。 【……バカ……こういう時は嘘でも……絶対助かるって言うもんだろ……】 今回もあの時と同じ。 希望は無に等しい。 「生きろ。死ぬなんて考えるな。悲観的になるな」 だけど俺はその事実を告げはしなかった。 俺の番が回ってきたら殺そうとした相手に向かってそんな偽善的な言葉を吐いていた。 自分自身がわからなくなっていく。 水無瀬綾芽は俺にとって友達でも特別な人間でもない。 利用するだけの使い捨ての駒だったはずなのに。
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