六時間目 キュウテン

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この先、一樹と戦う事になった場合、あいつは知力の限りを尽くして俺たちに襲いかかってくるはず。 遅れをとってる俺があいつに勝つ事は不可能な話。 将棋と同じだ。 常に相手の先を行く。 何手先までを考えて、相手の上を行かなければ勝機はない。 「そうか……」 悠路という人間に憧れていた。 けれど俺は悠路ではないし、あいつになる事も出来ない。 努力すればあいつに近付く事は出来るかもしれないが、それは俺にとって随分と長い道のりだ。 一朝一夕で変われるようなものではない。 だったら今の俺に出来る事をやればいい。 誰に嫌われようと、俺は自分の役割を果たせばいいのだ。
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