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「水無瀬、よく聞け。俺はお前に生きて欲しいと思っている。バクさえ消せればお前はベッドの上で目覚め、こんな傷を負ってもなくて、普段通りのお前に帰って来れるだろう」
水無瀬は震えながらも俺の話に耳を傾ける。
「だが現状、お前は今かなりの重傷を負っている。まともに動けない程の重傷だ。このままだとそう長くないだろう。お前もそれを感じてるはず。わかるな?」
弱々しく、そして小さく頷く彼女。
「だから選べ。痛みに耐えて、生きて目覚める小さな可能性を追い求めるか。その苦しみから解放されて永遠の眠りにつくのか」
俺は銃を取り出して、その銃口を水無瀬の額に突き付けた。
「桜庭クン!」
「お前の意思で決めろ。死を選ぶなら俺がお前を殺してやる。その苦しみから解放させてやる。お前がそれでも生きるというのなら、俺がお前を守ってやる」
背伸びはしない。
俺は冷徹な人間であり、他の人とは少しずれた人間だ。
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