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「殺して……わ、わた、私を……ころ……して……」
水無瀬が選んだ救いの道。
それは俺の背中にのし掛かる痛みの道。
「わかった」
「だ、ダメだよ!そんなのダメ!」
「……」
引き金にかかる指に少しずつ力が入る。
「待って!待ってよ桜庭クン!」
「……」
躊躇いなどなかった。
これが俺の選んだ道だからだ。
パァン!
引き金を引いて、ブローバックした拳銃から薬莢が飛び出し、床に落ちてコツンと小さな音を立てた。
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