六時間半目 オワリノハジマリ

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残り時間は三十分を切って、いよいよ命の期限がすぐそこまで迫っている事に恐怖するアタシ。 体が震え始めるのを強引に抑え込んで自分自身に言い聞かせる。 「落ち着け……落ち着けアタシ……大丈夫……生きて帰れる……必ず……生きて帰れるから……」 大きく深呼吸を繰り返し、恐怖を頭の隅へと追いやった後、アタシはさっきの疑問の答えを模索し始めた。 どうして銃声が鳴ったのか。 誰かと戦ったのか、あるいは桜庭桐斗か大柴芽依が裏切ったのかもしれない。 さすがに水無瀬綾芽という事はないだろう。 まともに動けない程の重傷を負ってる水無瀬綾芽が……。 「いや……もしかして……」 背筋に寒気が駆け抜けていった。 『死にかけている水無瀬綾芽を不憫に思った二人が、彼女の息の根を止めた』という可能性もあるんじゃないのか。 そうだとしたらアタシはそれ以外の誰かを殺さなくてはならない。
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