六時間半目 オワリノハジマリ

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「殺してやらねぇよ。少なくとも今はまだ」 銃口を逸らして、ベッドの脇を撃った俺。 ベッドの上の水無瀬は相変わらず体を震わせていたが、俺は優しい言葉なんてかけずにあくまで冷徹に告げる。 「桜庭クン……」 「大柴、静かにしてろ。このまましばらく様子を見る」 貴重な銃弾を消費してまで撃ったのにはもちろん理由がある。 先程大きな物音を立てた人物、あわよくばこの銃声を聞いた他の生き残りの思考に絡み付く『疑惑の一発』。 俺たちが銃を持っているのは全員が知っている事。 そして恐らくこの保健室に俺たちがいるという事も他の三人は知っていると考えていいだろう。 だがさすがにこの保健室の中までは確かめようがない。 つまり『この一発の銃弾が何を意味するのかは他の奴らにはわからない』のだ。
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