六時間半目 オワリノハジマリ

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わからないからこそ疑う。 『どうして銃を撃ったのか?』 『誰が撃って、誰が撃たれたのか?』 そして頭に浮かぶであろう可能性は、『俺が水無瀬を撃った』という事。 上条はわからないが、一樹と依理紗は恐らく悠路の件を知っているはず。 似たような状況にあったあの時、死にかけていた悠路を殺す選択をした俺たち、それを知っているのならなおさら水無瀬を撃った可能性は高いと感じるだろう。 上条も同じような可能性を考えると予想出来る。 さっきの音を立てた人物が俺たちを誘き出そうとしてるのなら、狙いは怪我を負っている水無瀬。 あるいは誘き出した場所で待ち伏せして、俺か大柴どちらか、または両方を襲う気でいるはず。 相手は俺たちに明確な殺意を持っている可能性が高い。 ならば俺たちは無闇に動くべきではない。 向こうが抽選者ならば、有利なのはこちらだ。
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