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「一樹が来たのか、あの教室に?」
「うん……。友達は大事にした方が良いって……綾芽ちゃんに……」
「……」
「そしたら綾芽ちゃん……すごく取り乱しちゃって……」
水無瀬にとって友達と呼べる人物はこの場所に一人しかいない。
その事はもちろん一樹も知っていた。
知っていたからこそ挑発したんだ。
結果的にそれがこの結果を引き起こすに至る。
しかしその結果を嘆いたところで現状が好転するわけでも、死んだ者が蘇る訳でもない。
考えるべきはそういう事態に陥った時、自分の不利をどうやって生かすか。
つけ入れられる部分を逆に利用出来るかが重要な点。
そしてこれから起こり得るあらゆる可能性を予め予測し、そうなった場合の対処法も考えておかなければならない。
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