六時間半目 オワリノハジマリ

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「一樹が来たのか、あの教室に?」 「うん……。友達は大事にした方が良いって……綾芽ちゃんに……」 「……」 「そしたら綾芽ちゃん……すごく取り乱しちゃって……」 水無瀬にとって友達と呼べる人物はこの場所に一人しかいない。 その事はもちろん一樹も知っていた。 知っていたからこそ挑発したんだ。 結果的にそれがこの結果を引き起こすに至る。 しかしその結果を嘆いたところで現状が好転するわけでも、死んだ者が蘇る訳でもない。 考えるべきはそういう事態に陥った時、自分の不利をどうやって生かすか。 つけ入れられる部分を逆に利用出来るかが重要な点。 そしてこれから起こり得るあらゆる可能性を予め予測し、そうなった場合の対処法も考えておかなければならない。
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