六時間半目 オワリノハジマリ

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常に俺よりも先にいる依理紗と一樹に対抗するには、それを上回る応用能力が無ければ勝つ事は難しい。 「桜庭クン……あと残っている人が誰か……わかる?」 「……一樹、依理紗、上条、後は俺たちだけだ。確実だとは言い切れないが」 「もう……それだけ……なんだね……。その六人の中の誰かが……バク……」 「いや、もしかしたら最初からバクなんていなかったのかもしれない。根拠となるものは何もない、あくまで一樹が言った憶測に過ぎないからな」 確かなのは、抽選者がいて、一時間以内に誰かを殺さなくては自分が死ぬという事。 ただそれだけだ。 「そう……なんだ……。これからどうなっちゃうのかな……私たち……」 大柴は床に座り込んだまま、力無くうなだれたまま消え入りそうなか細い声で呟く。 「こんな場所で……死にたくないよ……家に帰りたい……」 大柴芽依は弱い存在であった。
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