1544人が本棚に入れています
本棚に追加
/571ページ
常に俺よりも先にいる依理紗と一樹に対抗するには、それを上回る応用能力が無ければ勝つ事は難しい。
「桜庭クン……あと残っている人が誰か……わかる?」
「……一樹、依理紗、上条、後は俺たちだけだ。確実だとは言い切れないが」
「もう……それだけ……なんだね……。その六人の中の誰かが……バク……」
「いや、もしかしたら最初からバクなんていなかったのかもしれない。根拠となるものは何もない、あくまで一樹が言った憶測に過ぎないからな」
確かなのは、抽選者がいて、一時間以内に誰かを殺さなくては自分が死ぬという事。
ただそれだけだ。
「そう……なんだ……。これからどうなっちゃうのかな……私たち……」
大柴は床に座り込んだまま、力無くうなだれたまま消え入りそうなか細い声で呟く。
「こんな場所で……死にたくないよ……家に帰りたい……」
大柴芽依は弱い存在であった。
最初のコメントを投稿しよう!