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ーーーー残り時間が十五分を切ってくると、アタシの中に溜まっていた死への恐怖心が津波のように押し寄せてくる。
依然として廊下を誰かが通るような気配もなければ、保健室のドアが開くような音もしない。
このままじゃ本当にアタシは死んでしまう。
ここにいても解決にはならない。
生き残るためには誰かを殺さなくちゃ……。
誰かを……。
「待ってちゃダメだ……行かなきゃ……」
殺しに行かなくちゃ。
ハサミを片手に持ち、カッターを胸ポケットに忍ばせ、アタシはついに覚悟を決め重い腰を上げた。
他の生き残りがどこにいるかをアタシは知らない。
わかっているのは桜庭桐斗達が保健室にいるという事だけ。
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