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アタシは生存の枠に入り、後は終わりが来るまで隠れて待てばいい。
ただそれだけ。
ここを乗り越えればすべてうまくいく。
いつものベッドで目覚めて、大好きなお兄ちゃんと朝食を食べて、そして登校するんだ。
平和で幸せな日常がそこに待っている。
だから……。
怖くなんてない!
その瞬間、アタシは大きな一歩を踏み出していた。
未来へ繋がる第一歩。
床を蹴り、自分の最大の速度で高瀬一樹に立ち向かう。
胸ポケットからカッターを取り出し左手に隠し持ち、右手にはハサミ。
アタシが走り出して自分の方へと近付いてきた事により、高瀬一樹は驚いたように目を丸くし一歩後ずさった。
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