六時間半目 オワリノハジマリ

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アタシの首に食い込む細いヒモ。 なんとかそれを外そうと首に手を伸ばしてみるが、深く食い込んでいるそのヒモと皮膚の隙間に指が入らない。 「か……あ……」 「言ったでしょう?あなたは弱い、すぐに死ぬ事になると」 意識が遠退きはじめるのがわかった。 死が脳裏をよぎる。 このヒモを切らない限り確実に殺される。 視界が歪み始め、あっという間に死がアタシの傍らに忍び寄って微笑んでいた。 早くこっちへ来いと手招きしている。 「死んでいくという感覚はどうでしょうか上条さん?どういう気持ちですか?」 ハサミ……ハサミがあれば……。 手探りで周辺を探すアタシ。 その指が奇跡的にも求めていたハサミに触れた。
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