六時間半目 オワリノハジマリ

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「あなたの中に広がっているのは安息ですか?それとも底知れぬ絶望なのでしょうか?」 おぼつかない手でそれを手繰り寄せ、それを自分の首にあてがい滑り込ませると、その刃は細いヒモを挟み込んだ。 間髪入れずに力を入れる。 だがヒモは異常なまでに硬く、ハサミの刃が通らない。 どうして!? そんなはずないのに! 「あぁ、そうでした。僕の問いには答えられる訳もありませんでしたね。冥土の土産にあなたに良い事を教えてあげましょう」 「……」 「ピアノ線はハサミでは切れませんよ」 「……」 絶望が脳内を埋め尽くすと共に、意識がゆっくりとホワイトアウトしていく。 それは紛れもなく死の感覚だった。 ごめんね……お兄ちゃん…… ごめんね…… ごめんね……
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