六時間半目 オワリノハジマリ

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こうしてしっかりと迎撃の準備が出来てしまっている。 本来ならこの隙を与えないのが向こうの考え。 ドアを開けた瞬間に怖じ気づいたのか、それ以外の策があるのか。 いや、この場合怖じ気づいたとは考えるべきじゃない。 相手は常に先にいると思え。 その時、ドアの向こう側に人影が現れる。 緊張が俺の息を止めた。 ここに来て俺はまだ誰一人殺していない。 これが俺の一番最初の殺人となる。 覚悟を決めていたとは言え、人を殺す事に抵抗がない訳がない。 日本という平和な国の中で生きている俺たちに人を殺す機会など本来一生ないだろう。 だが俺にはその機会が回ってきてしまった。 望んではいないがやらなければ自分が死ぬ。
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