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俺の胸にぶつかった人物は、跳ね返り、崩した体勢をなんとか立て直す。
「え!だ、誰!?」
「それはこっちのセリフだ」
目の前に立っているのは、女子の制服に身を包んだ少女。
どことなく聞き覚えのあるような声ではあるが、声だけでは判別しかねる。
「あ……れ……?もしかして……桜庭クン?」
桜庭桐斗(さくらばきりと)、それが俺の名前。
目の前の女子が俺の名を呼んだという事は、どうやら俺たちは顔を見知った仲のようだ。
暗闇の中一歩近付き、その女子の顔をしっかりと確認してみれば、学校でよく見知った顔の女子だった。
「大柴か……。なんでお前もここにいるんだよ」
大柴芽依(おおしばめい)。
二年三組、俺のクラスメイトで、一番背の小さい小動物的な女子。
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