プロローグ

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俺を除き、陽一、ももか、楓は、俺がこの町を離れた後に出会ったらしい。 その時はまだ、歌手ではなく一般人だった。 数年後の未来にはまぁ、なんと今では売れっ子歌手になったわけだが。 陽一「ほんと、久し振りだな。ツアー、どうだった?」 やはり気になるらしく、陽一も食い気味に聞く。 楓「大成功だったよ。たぶん、DVDにもなると思うから是非見てほしいな」 ニッコリ笑顔を陽一に振りまく。 陽一「お、おぉ!絶対見る!」 見るという事はDVDを買うと言うことになる。 彼女はなかなか策士だ。 楓「稜樹君にはこれ、はい」 渡されたのはCDケースだった。 透明なケースの中身を覗くと、『今作!』と書いてある。 楓「それね、今一番新しい曲なの。君にも聞いてほしい」 まっすぐ見つめる楓の瞳は透き通っていた。 稜樹「あぁ、ありがとう」 ケースを受け取ると、えへへ、と笑うのだった。
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