その時は突然に

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体育館には全校生徒が集まっていた。 陽一「うっわー・・・。やかましいなぁ」 すごくざわざわしている中で、陽一があたりを見渡す。 稜紀「まぁそうだろうな。集会自体が珍しいんだっけ?」 聞く話によると、ここの学校はこういった『集まり』が極端に少ないらしい。 文化祭や、修学旅行などはキチンとあるらしいが。 陽一「うん、そうなんだよね。まぁ、そうそう校長センセーのありがたーいお話も聞けるもんじゃないし、じっくり聞こうや」 皮肉っぽいことを言う陽一。 ちなみに、ももかと楓は列が後ろの方なのでいない。 喧騒がする中、中央の壇上に向かって一人の老男性が歩いていく。 『あぁー、んん!みなさんおはようございます』 あごひげを蓄えた男性がマイク越しにあいさつをする。 『えぇー、今回みなさんにこうして集まってもらったのはみなさんもニュースなどで知っていると思いますが、つい先日に起こった隣町の通り魔事件のことです』 なお、ざわざわする生徒たち。 『おいおいやっぱりかよ!』 『うわー、なんかどんどんリアルになってきたよ』 『あれだよねー?殺人なんでしょ?』 『うそー、私しらないー』 陽一、稜紀の周りでも小話が聞こえる。 陽一「あぁー、やっぱりかよ。ぶるっと来たぜ」 身震いをする陽一だった。 『あぁー、んん!みなさん静かに。それで、今朝のニュースではこの町でも殺人事件が起こりました。警察の調べによりますと、同一犯人の可能性が高いそうなので、通学路には警察の方々を配置しました。みなさんも、警察の迷惑にならないようにしてください』 『同一犯って、マジかよ』 『怖すぎだって!』 『ちょ、いらない情報くれんなよ校長!』 『マジ空気読めよなー』 すごい言われようだな、と心の中で思う稜紀だった。 陽一「一気にリアルになってきたな。用心しないと」 いつにまして、陽一の横顔は真剣だった。
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