這いよる違和感

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今日はあまり目覚めがよくなかった。 と、言うのは早朝から外が騒がしく強制的に起されたのだ。 目覚ましより早く起きたのは久し振りで、眠気眼の彼は昨日ソファーで眠ってしまったことを、まだ冴えない朝の頭で理解した。 学生服で寝てしまっていたので、ところどころシワになってしまっている。 しかし、彼には替え用の制服を何着か持っているので気にしない。 とりあえず、水を一杯。 ふぅ、と一息ついてテレビの電源を入れた。 「今朝遺体で発見されたのは……」 稜紀(また…か…) ニュースが運よく流れていたのでそれに目をやる。 が、最近流行りの連続殺人という物騒な事件だった。 昨日のことを思い出す。 稜紀(あれは一体…。あれが、犯人なのか?) ゾクリと背筋が凍る。 もし、仮に昨日自分が捕まっていたとすると。 考えたくもなかった。 朝から気が重く、頭痛がひどい。 風邪を引いてしまったのかもしれない。 そんなことを思いながら、パンと牛乳、果物にバナナを食べ頭痛薬を一粒頂く。 一台のパトカーが家の前を通った。 方向としては、昨日稜紀が件のやつと出会ってしまった方向である。 気は重いが今日も普段通り学校がある。 時もいい時間帯を指しており支度をして、家を出た。
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