這いよる違和感

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そうしたルールには従うのが一番だ。 それ以外のことをやらなくていいし、それ以上も必要ないと思うから。 それに、世間というのはルールを守らないやつには罰が下るといった相場も決まっている。 稜紀もそれを重々に理解している人間の一人なのだ。 陽一「ま、そりゃそうだよな。だいたい、関わる奴なんてそうそういねーだろ」 どっこいせ、と隣の空席に座る。 が、そこへももかと楓がやってきた。 ももか「あー、遊ぶ時間が減るっていうのはなんだか高校生としてもったいない時間を過ごしてるとは思わないかい?」 両手を腰に当て、なにやらふんぞり返っているももかが二人の間に仁王立ちした。 陽一「まぁ、そりゃそうだけどよ…。なんだよ?」 心の底では、高校生として『遊ぶ』という行動は貴重な時間を有効活用している感じがする。 だが、今の周りの状況はかなり特殊なケースで理性を働かし外は危ないと認識させるのが、体力のあり余った高校生にとっては手いっぱいなのも事実である。 ももか「でしょ?そこで、私は考えたのです!」 ここぞとばかりに、鼻息を荒げるももか。 あまりいい考えではなさそうだった。 陽一「おい、まさか犯人捕まえるー、なんてこと言わないよな?」 声を低くして、少し声色に、疑いの思念を乗せてももかを制する。 ももか「げっ…。何でバレたし」 まぁ、なんというか。 ももからしい意見であることは、他三人は心の底から納得したのだった。
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