這いよる違和感

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校門前の坂。 今日は四人とも真っ直ぐに帰路に就く。 稜紀と、陽一は途中まで帰る方向が一緒なので並んで歩いていた。 日はまだ落ちていない。 陽一「結局家に帰ってもやることないぜ…」 嘆いていた彼は、文句ばかり垂れていた。 稜紀「そうだな。久しぶりに勉強でもしたらどうだ?」 的確に相手の弱点を突く。 陽一「おいおい…。テストにはまだ早いだろうが。勉強なんてテスト前で十分よ!」 と、自信満々に叫んでいる彼だが、ももかに聞くと、高校一年からこんな感じで『テストの点数がいいところなど見たことがない』そうだ。 陽一「うちの中間は結構厳しいぜ?果たして君は赤点避けれるかな…フフフ」 ワザとらしい演技と、これまたワザとらしい不敵な笑みで稜紀を挑発する。 稜紀「大丈夫だよ。今のところ、授業だって着いていけてるし」 挑発には乗らず、冷静に返答と言う対処をする。 くっ、と負けを認めるかのような声が隣で聞こえた。 と、二人の帰路の分岐点が差し掛かった。 真っ直ぐと、左の道に分かれている。 陽一「んじゃ、また明日な」 稜紀「うん。また明日」 別れの挨拶を軽く済ますと、別々の道に歩き始めた。
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