プロローグ

5/11
前へ
/45ページ
次へ
家から学校は中間地点だが、その前には大きな坂がある。 山を切り開き、その頂上に建てたもので、現代としては珍しい木造の学校。 もともとが山だったので、あたりは雑木林が残っている。 規則はあまり厳しくもなく、緩くなく。 あたりきりな校則が縛っている、普通の学校だ。 「あぁ~、月曜日ってなんでこんなに怠いのかね・・・」 隣で陽一が嘆いている。 「あ、そうだ!帰りに、なんか食いに行こうぜ!」 突然この男は言い出す。 「別にいいけど、気が早いな。まだ、学校始まってすらないぞ?」 現実を突きつける。 「あー、もうやだよぉ・・・」 どよ~んとした、空気を纏わせながら陽一は歩いた。 「しっかし、この坂本当に慣れないな。結構疲れる」 大きな坂の中間地点でぼやく。 「あぁ、そりゃな。まぁ、ガキの頃からの付き合いだし俺は大丈夫だけどね」 ハハハ、とまた笑う。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加