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家から学校は中間地点だが、その前には大きな坂がある。
山を切り開き、その頂上に建てたもので、現代としては珍しい木造の学校。
もともとが山だったので、あたりは雑木林が残っている。
規則はあまり厳しくもなく、緩くなく。
あたりきりな校則が縛っている、普通の学校だ。
「あぁ~、月曜日ってなんでこんなに怠いのかね・・・」
隣で陽一が嘆いている。
「あ、そうだ!帰りに、なんか食いに行こうぜ!」
突然この男は言い出す。
「別にいいけど、気が早いな。まだ、学校始まってすらないぞ?」
現実を突きつける。
「あー、もうやだよぉ・・・」
どよ~んとした、空気を纏わせながら陽一は歩いた。
「しっかし、この坂本当に慣れないな。結構疲れる」
大きな坂の中間地点でぼやく。
「あぁ、そりゃな。まぁ、ガキの頃からの付き合いだし俺は大丈夫だけどね」
ハハハ、とまた笑う。
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