3人が本棚に入れています
本棚に追加
女性が歩いていました。女性は今、欲しいと思っているものがありました。それは、女優が着ているような綺麗な服でした。けれど、彼女にはお金がなく買うことはできません。
ある日、女性が歩いていると、足に何かが当たりました。足下を見ると、あの石が転がっていました。友達から噂を聞いていた彼女はウソっぽい話に少し疑ってましたが、騙されたと思いながら石に祈っていました。
女優が着ているような服が欲しいと。
すると、石はコトコトと動きだして女性の手から離れました。石は彼女の目の前で、願った通り服に姿を変えました。
「すごい・・・」
噂は本当でした。女性はその服を家に持って帰ると、さっそく試着してみました。サイズも自分にピッタリでした。
翌日、その服を着て街に行くと、友達は羨ましがっていました。どこで、手にれたと聞かれましたが、それは秘密にしました。なぜなら、願いは一度しか叶えられないからです。友達が願ったら服が別のものになってしまうので、教えたくありませんでした。
初めは友達に羨ましがられていた服ですが、日が経つにつれ友達は、あまり羨ましがらなくなりました。その理由は、流行が変わったからでした。女性の方も、一昔前の服を着ているのが、だんだん恥ずかしくなって、タンスの奥に服をしまってしまいました。
幾日か経って、女性はタンスの中でも整理しようと開けました。そこで、タンスの中にしまっておいた、元が石だった服に穴が空いているのを見つけました。もったいないと思いましたが、穴が空いてしまってはもう着ることはできません。服は諦めて捨てることにしました。
女性に捨てられた服は石に戻りました。
石は服になっていた時に、穴が空いてしまったせいでしょうか、やっぱり、少し欠けて前よりも更に小さくなっていました。
最初のコメントを投稿しよう!