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「ちょっと買い物に付き合ってくれない?」
女子との買い物─
それは男子がただ荷物を持たされるだけの鬼畜な時間。
皆さんも経験があると思います。
「………。」
よみがえるゴールデンウィークのあの時
両手がふさがるほどの紙袋の数。
「久保君?」
「あ、買い物?いいよ」
しまった。OKしてしまった。
また荷物持ちにされるんだろうな。
「ほら…しほがもう少しで誕生日じゃない?だから誕生日プレゼント買おうかなと思って…」
そういえばもうすぐだな。志保奈の誕生日。
誕生日プレゼントなんてあげたことないな。
「うん、いいよ、買いに行くか。俺も買うよ」
「ほんとに!?ありがとう!!」
満面な笑みで言ってくる。
不覚にもその笑顔にドキッとしてしまった。
可愛い笑顔だな。
「じゃあ、今週の土曜日でいい!?」
「わかったよ」
「やった。あ、あと送って行ってね」
ちっ、覚えてたか
結局途中まで送って行った。
─────────
「ここでいいよ、ありがと~うれしかったよ」
「ん、気をつけてな」
「うん、バイバイ」
こっちの方に来るの初めてだな。
と思いながら自転車を走らせる。
走らせる。
走らせる。
「ここ、どこだ?」
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