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6月6日。
今日はめでたいことに志保奈19歳の誕生日。今夜姫川原と拓馬で志保奈の家に押しかけに行く予定。拓馬もしっかりと誕生日プレゼントを用意してきている。さすが。
問題は、今日志保奈が何か用事があって部屋にいないかどうか。これを聞きに行く担当者は姫川原愛花。今俺が思っていることを言うと、頼りなさそー。
「大丈夫か?自然な感じに言えよ」
「わかってるよー。そんなに信用ない?」
その顔をみればわかる。コイツは演技をできるようなヤツじゃない!今どきこんな純粋な女子は滅多にいないよな。純粋な女子は絶滅寸前だ。
「じゃあ、聞いてくるよ?」
あ…行ってしまった。大丈夫だろうか。
「拓馬、あいつだいじょ―」
「わからん」
即答された。拓馬もあいつのこと信用してねーぞ。
しばらくして姫川原が帰ってきた。もう、なんか…めちゃくちゃ心配。なんか浮かない顔してるけど…
「しほ、今日バイトだって…」
「何時に終わるか聞いたか?」
「聞いてないよ。なんで?」
「あのな、いくらバイトがあるって言っても一応女子なんだから真夜中までは働かないだろ。せいぜい10時までだ。その後からでもサプライズはできるだろ?」
「あ、そっか~」
やっぱりコイツに頼むんじゃなかった。それくらいのことは考えてると思ったんだけどな。
またここで誰かが志保奈に「バイト何時まで?」なんて聞きに行くのはさすがにおかしい。
「じゃあ、10時過ぎに一旦修介の部屋に集まってから尾川の部屋に行くか」
「そうだな」
「さんせー!」
今度からは慎重に人を選ぼうと心に決めた。
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