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あっという間に二三時間目が過ぎ、特に何もないまま自習の四時間目になった。
瑠巳ら三人は学習の時間を談話時間にあてていた。
瑠巳が話始めた途端、後ろから
「瑠巳くん……」
瑠巳は体が過敏に反応した。
「はいっ。絵里菜さん」
「五時間目の音楽の授業準備の件なんだけど、昼休み空いてないよね? 私やっておくから」
「いや、大丈夫。先生の所へ行く気ないから! 行ける行ける。あっでも遅れて行きます。いや、出来るだけ早く行きます」
瑠巳はかなりテンパっている。
「そう。でも先生の所、行かないと知らないよ」
ふふっと微笑み彼女は席に戻って行った。
すると中川が早速、肘でつついてきた。
「おい、おい。愛しの絵里菜ちゃんちゃんじゃん! 朝といい、今といい顔がトマトになってるぞ」
小馬鹿にしてくる中川に瑠巳は拳を食らわす。腹を折る中川。
「はい。絵里菜さん」
最後の力を振り絞って先ほどの瑠巳の真似をする。瑠巳の拳が中川の頭頂に落ちたのは言うまでもない。
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