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破壊音が響き目の前の床が盛り上がり白い魚人が這い出てきた。
中川と片原は突然の事態に足を止める。出口を前にして思わぬ悪事であった。
白い魚人は動揺している中川と片原を見つけニヤッと笑う。そして穴から体を抜き出した。
中川は瑠巳を背中から降ろし硬そうな竹刀を前に突きだす。
「片原。俺が奴の気を引くからその隙に奴のあの気味の悪い眼玉にもう一度矢を撃ち込んでくれ」
「わかった。……気をつけてね中川君」
片原も弓を構え矢を引いた。
中川は威声を出して走り出す。空を飛ぶと同時に腕を振り上げた。竹刀は最大限にしなり、そのままの勢いで降り下ろされた。
その重い一撃は白い魚人のガードを打ち破り、その後も中川の連撃が叩き込まれた。
あまりの迫力に片原は矢を撃つ隙がなかった。
「ーー流石だ中川君」
中川の連撃は白い魚人に反撃を与えない程のものだった。遂に白い魚人がフラッと倒れそうになる。
「これで終わりだ」と中川が竹刀を再び振り上げる。がーー閉じていた白い魚人の巨大な眼が開く。
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